最新版を正確に読む場合には pdf ファイル をどうぞ。これは web 検索のための簡易旧版です。
Navierの解法で解ける問題は限られているし,級数の収束の問題等,
工学的にも多くの問題がある。そこで章-5で紹介した
有限要素近似を平板に適用しよう。
仮想仕事式
を,つり合い式(8.21)からGaussの
発散定理を用い,式(8.15)の曲げモーメントと
変位の関係式を代入して書き直すと,物理的に意味のある表現として
が求められる。別の表現も可能だが,なぜかこの形を使う。 これに変位関数を適切に選んで代入すれば, 平板の要素剛性方程式を求めることができる。
物体が2次元の拡がりを持つ場合,変位関数は一般的には
の形で与えられるが,物理的に適切な変位関数であるためには
という条件を満足しなければならない。 実はこの二番目の条件を満足する関数を 選ぶのは困難で,しかも苦労の割には精度がよくないことがわかっている。 例えば長方形要素を用いた場合に,そのたわみの微係数が4隅の節点で 連続するような関数を選べたとしても,要素の辺に沿っても微係数が 連続するとは限らないのである。これは,要素に辺を 持たない棒要素では考える必要の無かった点である。この条件を 満足しない要素は物理的にはおかしいわけだが,逆に, そういった板要素の方が良い結果を与えることがあることも わかっている。このような要素を非適合要素 と呼んでいる。 代表的な適合・非適合要素(古典?)を一つずつ紹介しておこう。
それぞれの特徴やその他の要素についての詳細については 有限要素法に関する多くの参考文献等を参照のこと。