next up previous contents index
Next: J.4 極座標における物理成分 Up: J. テンソル演算について Previous: J.2 計量テンソルと置換テンソル

最新版を正確に読む場合には pdf ファイル をどうぞ。これは web 検索のための簡易旧版です。

J.3 共変微分

さて,極座標におけるナブラやラプラシアンは結構面倒な 形をしていた。それは何故だろう。 例えば任意のベクトル$\fat{u}$ $\fat{u}=u^i \fat{g}_i$と 成分表示したとしよう。このベクトルの変化つまり微係数は, 成分のみならず基底ベクトルも微分する必要があることに気付く。 極座標等では直角座標とは異なり,基底ベクトルが一定ではないことが 微係数の表現を面倒にしているのである。 例えば$\fat{g}_j$方向の座標$\xi^j$でこれを微分すると

\begin{displaymath}
\D{\fat{u}}{\xi^j}=
\D{\left(u^i \fat{g}_i\right)}{\xi^j}=
\D{u^i}{\xi^j} \fat{g}_i+
u^i\D{\fat{g}_i}{\xi^j}
\end{displaymath}

という計算をしなければならない。基底ベクトルは 式(J.12)のように表現できたことを思い起こすと

\begin{displaymath}
\D{\fat{g}_i}{\xi^j}=\fat{g}_{i,j}=
\D[2][1][\xi^j]{x^k}{\xi^i} \fat{i}_k
\end{displaymath}

を求めておく必要がある。ここに,添え字中のコンマは次の 添え字の座標で偏微分することを意味する。 そこで

\begin{displaymath}
\fat{g}_{i,j}=\Gamma_{ijk} \fat{g}^k=\Gamma_{ij}^k \fat{g}_k
\end{displaymath} (J.21)

と表すことにする。この$\Gamma_{ijk}$等はChristoffelの記号 と呼ばれている。 式(J.21)を用いれば,上述のベクトルの微係数は

\begin{displaymath}
\D{\fat{u}}{\xi^j}=
\D{\left(u^i \fat{g}_i\right)}{\xi^j}=
...
...a^i_{jk}\right) \fat{g}_i
=\left.u^i\right\vert _j \fat{g}_i
\end{displaymath} (J.22)

と表すことができる。ここに $\left.u^i\right\vert _j$共変微係数 と呼ばれる。


最新版を正確に読むためには pdf ファイル をどうぞ。これは web 検索のための簡易旧版です。
next up previous contents index
Next: J.4 極座標における物理成分 Up: J. テンソル演算について Previous: J.2 計量テンソルと置換テンソル
Iwakuma Tetsuo
Mon, 18 Feb 2013 12:50:55 +0900 : Stardate [-28]8120.80