最新版を正確に読む場合には pdf ファイル をどうぞ。これは web 検索のための簡易旧版です。
注意して欲しいのは,例えば図-J.1の
斜交座標のときの基底ベクトルが,式(J.9)で
示したように単位量ではないこと等である。
つまり,基底ベクトルを含むテンソル自体,
例えば
そのものが物理量であるのは間違い無いが,
その成分は必ずしも物理的な量であるとは限らないことだ。
そこで,極座標(, , )の場合の各量を
文献[24]から引用して列挙してみよう。
基底ベクトルが
となる。
は長さの次元を持っていることに注意する。
これから計量テンソル成分は
であり,Christoffelの記号が
と表される。
これを用いて応力表示のつり合い式
を
誘導すると次のようになる。
ここに, は
それぞれ,
方向の体積力である。
ただし,ここの応力テンソルや体積力ベクトルの
成分は,,
方向の成分であり,
特に後者の基底ベクトルは式(J.23)からも
明らかなように長さの次元を有していることから,
必ずしも物理的な成分にはなっていないことに注意が必要である。
そこで,それを調整した物理的な成分を
と定義して上式を書き直すと
のような,よく知られた物理的な量で表したつり合い式を得ることができる。