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7.5 棒の力学の表現のまとめ

いわゆる構造力学というのは近似力学理論体系であると述べたが, その理論は次のように系統的に表現されていることになる。 断面力を$R$としたとき,その定義と変形$d$との関係は

\begin{displaymath}
R\equiv \int_A c \sigma_{ab}\dint A
= S C d
\end{displaymath} (7.65)

と表される。ここで$c$はこの断面力に関連する座標であり,$S$は関連する 弾性係数,$C$は関連する断面定数で,$A$は 断面積である。そしてこの応力成分は,その断面力と

\begin{displaymath}
\sigma_{ab}=S c d=\dfrac{R}{C} c
\end{displaymath} (7.66)

という関係を持ち,断面定数$C$

\begin{displaymath}
C\equiv \int_A c^2\dint A
\end{displaymath} (7.67)

で定義される。1軸引張りと2軸曲げ・開断面のSaint Venantのねじりおよび 曲げねじりについて,分布外力が無い場合のつり合い式と 共に表-7.1にまとめた。 ただし,曲げにおけるせん断応力$\sigma_{sx}$については 式(4.81)を, 閉断面の曲げねじりに関するせん断応力$\sigma_{sx}$については 式(7.63)を参照のこと。


表 7.1: 構造力学体系の整理
  断面力 $R$ 座標 $c$ 応力成分 $ab$ 弾性係数 $S$ 断面定数 $C$ 変形 $d$ つり合い式
1軸引張り $N$ $1$ $xx$ $E$ $A$ $u'$ $R'=0$
$y$軸回り曲げ $M_z$ $z$ $xx$ $E$ $I_z$ $-w''$ $R''=0$
式(7.66)のみ $V_z$ $\dfrac{G_z(z)}{t(z)}$ $zx$ -- $I_z$ -- $R=M_z'$
$-z$軸回り曲げ $M_y$ $y$ $xx$ $E$ $I_y$ $-v''$ $R''=0$
式(7.66)のみ $V_y$ $\dfrac{G_y(y)}{t(y)}$ $yx$ -- $I_y$ -- $R=M_y'$
St.-V.ねじり $T_S$ $\Theta$ $sx$ $G$ $J$ $\varphi'$ $R'=0$
曲げねじり(閉) $M_\omega$ $\omega$ $xx$ $E$ $I_\omega$ $-\varphi''$ $R''+T_S'=0$
式(7.66)のみ $T_\omega$ $-\dfrac{\overline{Q}_\omega(n,s)}{t(s)}$ $sx$ -- $I_\omega$ -- $R'+T_S'=0$


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Iwakuma Tetsuo
Mon, 18 Feb 2013 12:49:24 +0900 : Stardate [-28]8120.79