副島 理義 (Masayoshi SOEJIMA)
床版が橋梁の冗長性に及ぼす影響は無視できないことが指摘されているが,橋梁全体のモデルにコンクリートの破壊を考慮した数値解析は,計算の困難さからこれまでほとんど行われてこなかった.近年,平野(2021年度卒)らによって床版の進行性破壊を組み込んだ橋梁全体モデルによる冗長性評価が可能となり,床版が橋梁の冗長性評価に及ぼす影響が定量的に評価できるようになった.そこで本研究では,床版の進行性破壊を考慮した鋼連続多主桁橋全体のモデルを用いて,損傷位置と損傷の程度が橋梁の余耐力や床版の破壊進展に及ぼす影響を検討した.その結果,損傷の程度が同じとき,中桁に損傷がある場合よりも外桁に損傷がある場合の方が小さな荷重で終局状態や使用限界に至ることや,損傷位置によって床版の破壊進展が大きく異なることがわかった.
Key Words : nonlinear finite element analysis, redundancy, progressive failure, continuous steel multigirder bridge
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