橋が曲がる仕組みとトラスに作用する力
上側は縮む(圧縮)
下側は伸びる(引張)
上下の間(真ん中)は伸び縮みしない
→つまり働いていない
働かない真ん中は不必要なのでく
りぬいてしまおう
1. 橋が曲がる仕組み
2. トラスの誕生(三角形の理由)
四辺の⾧さが決まっても形は無数にあ
四角形
三角形
四角形
三辺の⾧さが決まると形が決まる
角度も決まるのでピン結合でも OK
たわみやすい
たわみづらい
⾧方形が平行四辺形になる(これをせん断変形という)とき,伸びる対角線と縮む対角線
がある.橋の左半分は左上から右下 (\),右半分は逆向き ( ) の対角線が伸びる.
縮む(圧縮)
伸びる(引張)
0(伸び縮みなし )
橋に下向きの力を加えると,上下方向では
なく,水平方向に変形(伸び縮み)す
建設中の丸森大橋側径間のトラス
( 宮城県丸森町 2009 1 月撮影 )
犀川大橋(石川県金沢市,1924 年竣工 )
曲弦ワーレントラ
斉木 功 (公財)土木学会東北支部幹事
東北大学大学院工学研究科土木工学専
橋が曲がる仕組みとトラスに作用する力(斉木 功)
3. 一ノ戸橋梁(ボルチモアトラス)に生じる力
引張(+)圧縮()
・上の図は,全部 15 の力が全⾧に作用したときの変形と部材の力を色と数値で示している.
・上側(上弦材)が大きな圧縮,下側(下弦材)が大きな引張を受ける
・圧縮が強いと細い棒部材は曲がってしまう ( 座屈する ) ので,圧縮を受ける部材は太く作る.
・一方,引張に対しては細くても曲がることはないので,太くする必要がない.
・橋の中央付近のせん断変形 ( 平行四辺形になる変形 ) は車両(力の作用)位置によって引張・
圧縮の向きが変わるので,どちらにも対応できるように斜材(斜めの部材)がクロスになっ
いる.圧縮しても曲がらないように太く作るより,引張用を 2 本用意する方が材料を節約でき
るからである.
一ノ戸橋梁トラス部全景(後藤光亀氏撮影)
支点部付近中央部ピン結合
支点 支点
問い合わせ先
東北大学大学院工学研究科土木工学専
構造強度学研究室准教授斉木功(橋梁工学・計算工学)
email: isao.saiki.a4@tohoku.ac.jp
ホームページ : http://mechanics.civil.tohoku.ac.jp/saiki/