橋が曲がる仕組みとトラスに作用する力(斉木 功)
3. 一ノ戸橋梁(ボルチモアトラス)に生じる力
引張(+)圧縮()
・上の図は,全部で 15 の力が全⾧に作用したときの変形と部材の力を色と数値で示している.
・上側(上弦材)が大きな圧縮,下側(下弦材)が大きな引張を受ける.
・圧縮が強いと細い棒部材は曲がってしまう ( 座屈する ) ので,圧縮を受ける部材は太く作る.
・一方,引張に対しては細くても曲がることはないので,太くする必要がない.
・橋の中央付近のせん断変形 ( 平行四辺形になる変形 ) は車両(力の作用)位置によって引張・
圧縮の向きが変わるので,どちらにも対応できるように斜材(斜めの部材)がクロスになって
いる.圧縮しても曲がらないように太く作るより,引張用を 2 本用意する方が材料を節約でき
るからである.
一ノ戸橋梁トラス部全景(後藤光亀氏撮影)
支点部付近中央部ピン結合
支点 支点
問い合わせ先
東北大学大学院工学研究科土木工学専攻
構造強度学研究室准教授斉木功(橋梁工学・計算工学)
email: isao.saiki.a4@tohoku.ac.jp
ホームページ : http://mechanics.civil.tohoku.ac.jp/saiki/