床に接するのは単純支持梁の中央のたわみが になる時, つまり,
の時である.この状態から q を増加させていくと,しばらくは 節点 (上右図の R) で集中反力を生ずる.つまり,分布荷重と この集中反力によるたわみが であり続ける間は,
ところが,これは要するに下図の (a) の状態であり,さらに q が 大きくなり過ぎると図の (b) になってしまう.
これでは具合が悪い.つまり図から明らかなように一点で接触して 反力が生じている状態の限界は,接点での曲率 の 符号が正から負に変化する (つまり の) 点である. 中点でのモーメントは曲率と同じ符号であるから,それより
になる場合ということから
までが一点接触をすることになり,これより大きい q では一点での 接触は不可能となり,ある幅を持った接触となる. しかし,そのときであっても浮き上がりは有り得ない. もし仮に浮き上がりがあるとすると,次の図の (a) のように なるはずだが,
この図の a, b 間は,剛体変位を除けば図の (b) のように両端固定の状態 と同じことになるはずである.境界値問題としては,
となるが,この問題でたわみが上向きになることは有り得ないので, 浮き上がりは不可となる. したがって,梁は中央のある区間で下図のように床に接触する.
この c, d 間での分布反力を とすると,つり合い方程式は
となるが, (一定) なので, r=q (一定) となる. 点 c の右側では より, となる. 下の図 (a) を参照すれば,
点 c でのモーメントのつり合いより, .よって,梁の 点 c より左側に注目すれば,図の (b) の 境界値問題を得る.これより,
この接触し始める点には集中反力が生じ,その大きさは
である.
以上をまとめると次のようになる.